ピーター・フィリップス氏 (photo: Richard Haugbton) |
ルネサンス・ポリフォニーの研究と演奏をライフワークとすることにより、たぐいまれな高い評価を受けている。1972年、オクスフォード大学に奨学生として入学し、ウルスタン、アーノルド両教授のもとでルネサンス音楽を修めた。 1973年に創立したタリス・スコラーズを率いて行ったコンサートは1500回に及び、CDは50枚を超える。コンサート、レコーディング、楽譜の出版や執筆といった活動は、世界中でポリフォニーへの関心を高め、ルネサンス音楽は初めてクラシック音楽のメジャーの一つと認められることになった。 著述家としても知られ、長年『ザ・スペクテイター』の音楽コラムの連載を担当している。 1995年、世界最古の音楽専門誌『ザ・ミュージカル・タイムズ』を買収し、発行人となった。フィリップスの最初の著作『1549年から1649年までのイギリス教会音楽』(English Sacred Music 1549-1649)は1991年ギメルから出版された。このほど出版された第2作『私たちは本当は何をしているのか』(What We Really Do)では、演奏旅行とはどういうものかが、ポリフォニーの構成と演奏に関する識見とともに語られている。 また、フィリップスはタリス・スコラーズ・サマースクールの芸術監督を務める。これはルネサンス合唱音楽の探究と、タリス・スコラーズにより切り開かれたその分野の音楽に適した演奏スタイルの練り上げを目的として行われる合唱講座である。講座の詳しい内容はウェブサイト(www.tsss.uk.com)に掲載されている。 |